初めての方にとって、トライアスロンは不安に感じるかもしれません。
トライアスロンは過酷な挑戦です。
ですが、大会当日のスタートからゴールまでの流れを一通りイメージできれば、不安も軽減できます。
この記事では、初めてトライアスロンに挑戦する方が大会当日のイメージができるようにスタートからゴールまでの一連の流れをご紹介します。
ぜひ、大会当日までのイメージトレーニングとして参考にしてみてください。
トライアスロン初心者向け!大会エントリーから大会当日までに準備すべきこと
トライアスロンの流れ
トライアスロンとは、スイム(水泳)、バイク(自転車)、ラン(マラソン)の 3種目を一度に連続してスポーツです。
大会によって各種目の距離は異なりますが、レースの流れは共通です。
ざっくりトライアスロンの流れは、大きく5つのステップにわかれます。
ステップ2:スイムからバイクへのトランジション
ステップ3:バイク
ステップ4:バイクからランへのトランジション
ステップ5:ラン
競技は、スイム→バイク→ランの順番ですが、種目の変わり目「トランジション」というトライアスロン特有のステップがあります。
トランジションとは、スイムからバイクへ、バイクからランへ競技種目が変わるときのことを意味します。
トライアスロン初心者は、このトランジションを「いかに効率よくこなせるか」も競技と同様に重要なポイントになりますので、注意しましょう。
それでは、私が初めて参加した横浜シーサイドトライアスロン大会の流れに沿って、5つのステップを解説します。
その前に、準備編としてスタート前の流れから紹介していきます。
準備編:スタート前
選手受付
大会会場に到着後、最初にすることは選手受付です。
事前に送付されている健康チェックシートを提出し、レースナンバーと名前を伝えると、受付が完了します。
トランジションエリアで道具の準備
次に、競技スタート前の道具の準備です。
自分のレースナンバーが記載されたバイクラックに、バイク等、道具一式をセットしていきます。
トランジションエリアは時間によって出入りできなくなるため、あらかじめ必要な道具を入念に確認しておきしょう。
競技に必要のない荷物は、トランジションエリアに置いておくと邪魔になるため、大会本部の荷物置き場、もしくは応援にかけつけてくれた人に預けてください。
また、最初の種目はスイムのため、競技直前までの間はビーチサンダルを履いておくと便利です。
トランジションエリアで用意しておく道具
- ロードバイク
- ヘルメット
- サングラス
- バイクシューズ
- ランニングシューズ
- 帽子
- レースナンバー
- タオル
- 飲み物
道具を並べるポイントは、スイム終わりの動きを考えてレイアウトすることです。
スイムが終わると、足に水や砂ついたままトランジションエリアに戻るため、まっさきにタオルが必要になります。
そのため、極力無駄な動きが出ないように、スイムから戻ってきた後に手に取りやすい位置にタオルとバイクシューズを置いておくようにしましょう。
また、レースナンバーは、ウェットスーツを脱いだ後にトライアスロンウェアに装着するため、スタート前に装着するのではなくトランジションエリアに置いておきます。
計測チップ受け取り・準備体操
スイムがスタートする前に計測チップ(アンクルバンド)を受け取ります。
計測チップを足首に装着したら、スイム会場で準備体操をします。
試泳
準備体操が終わったら、スタート直前の試泳に移ります。
いきなりスタートするのではなく、ウォーミングアップとして自分のコンディションをチェックしたり、本番前に海に慣れておくのがポイントです。
そして、いよいよスタートです。
トライアスロンの流れ①スイム
トライアスロン初心者はスイムに一番苦手意識を持っている方も多いでしょう。
スイムのスタート直後は、他の選手とのぶつかり合いを避けながら泳ぐ必要があるため、スタートは極めて重要です。
スイムのスタートは10名ごと10秒おきに時間差でスタートしていきます。一斉に泳ぎ始めると周囲とぶつかり合って危険だからです。また、スタートの並び順はナンバーではなく、ランダムです。
計測チップを足首に装着しているため、レーススタートからタイムが計測されるのではなく、
自分がスタートしてからタイムが計測される仕組みです。
スイムのスタートで気をつけておくポイントは、なるべく密集地帯を泳がないことです。
最短距離で泳ぎたいからといって内側ばかりを意識しては危険です。他の選手も寄ってくるため、密集は避けて泳ぐようにしましょう。泳ぎに自信がない方は、後方からゆっくりスタートしても問題ありません。
周囲とぶつかりやすいのはスタート直後のため、万が一、他の選手に顔を蹴られたり、腕がぶつかったりしても、焦らずに自分のペースで泳ぎ切ることに専念するのが重要です。
実際に、私も内側ではなく、なるべく外側からスタートしようと意識しましたが、それでもスタート直後は他の選手とかなりぶつかり合います。足や腕が顔面に直撃するため、スタート初っ端、ゴーグルが外れてかなり焦りました。
ゴーグルを直すために一旦顔を上げることになりますが、その際に、海水も飲んでしまい一気に吐き気を催す事態に。スタートしてから間もなかったため、棄権が頭をよぎりましたが、そんな状況下でも焦らずに落ち着いて泳げるかがポイントです。
スイムの一番最悪な事態がこの「ゴーグルが外れる」だと思いますが、そのようなリスクもあることを頭に入れておくだけで、実際に直面したときにも焦らずに泳くことができます。
万が一、自分の力ではどうしようもない事態になってしまった場合は、無理をせず、ロープにつかまって息を整えてから再スタートしたり、ライフセーバーに救助を求めたりしましょう。
スイムは周回コースのため、1周したら一度、陸地に上がります。10mほどの距離を歩いて、再び泳ぎます。陸地に上がったら、しっかり呼吸を整えてスタートしましょう。
スイムのポイント
- スタート直後は集団を避けて泳ぐ
- 内側ばかりを攻めない
- 外側から攻める場合は、距離が長くなることを覚悟
- ゴーグルが外れても焦らずに落ち着いて泳ぐ
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トライアスロンの流れ②スイムからバイクへのトランジション
スイムが終わったら、トランジションエリアに戻ります。
ウェットスーツの上半身を脱ぎつつ、バイクの位置まで走って向かいます。トランジションエリア内をどのルートで進むかは事前に決めておくと良いです。
自分のバイクの場所に戻ってきたら、ウェットスーツを脱ぎます。バイクの準備では、バイクシューズを履き、トライアスロンウェアにナンバーベルトを装着します。
プロのアスリートで、バイクシューズをペダルにつけたまま走りながら履くようなシーンが見受けられますが、
実際にやると危険なため、しっかりバイクシューズを履いてから乗車するようにしましょう。
この移行時間もタイムに影響するため、ウェットスーツはスムーズに脱げるよう事前に練習をしておくと良いです。
スイムからバイクのトランジションのポイント
- ウェットスーツを脱ぐ練習をしておく
- バイクシューズをしっかり履いてからスタートする
トライアスロンの流れ③バイク
次は2種目目のバイクです。
バイクのスタートラインまでは手で自転車を押しながら向かいます。
疲労がたまっていると足も攣りやすくなっているため、バイクの乗車時やビンディングペダルをはめる際は十分気をつけましょう。
また、スタート直後は思うように身体が動かず転倒や追突につながる危険性もあるため、特に前方に注意して走行しましょう。
競技中に気をつけるべきポイントは3つあります。
バイクの注意点
- 車間を10mあける
- 横に並ばず、キープレフトを守る(左側走行・右追い越し)
- 近くで追い越すときは、相手に一言声を掛ける
バイクは重大事故になりえる可能性が高いため、この最低限3つは覚えておくと良いです。
また、バイクは「1周5kmを4周する」のように、周回数を自分でカウントしながら走行する必要があります。
バイクの周回チェックはどのようにしたら良いですか?と疑問に思う方もいるかもしれませんが、競技中にスタッフが教えたりすることはできません。
「自分が今、何周目なのか」は常に頭に入れて、忘れないようにしてください。(周回数が間違っていると失格になります)
心配な方が用意しておくと便利なのが、サイクルコンピューターです。
仮に周回数を忘れても、距離さえわかれば何周かを間違えずに走ることができます。
用意できそうな方は事前に備えておきましょう。
スイム後のバイクは体力的にもハードですが、沿道で応援してくださる方々がいるため、大変心強いです。
普段の練習では味わえない環境下で走行できるため、周囲の声援を励みにしながらレースに挑みましょう。
バイクのポイント
- スイム直後は足が攣りやすいので気をつける
- 前方に注意する
- 今、何周目なのか周回数を間違えないようにする
- レース中はキープレフトで、追い抜くときは声をかけて、右側から
トライアスロンの流れ④バイクからランへのトランジション
バイクが終わったらランに移ります。
バイクシューズからランニングシューズに履き替えるため、この間のタイムもしっかり意識しましょう。
特に気をつけておくポイントは、ランニングシューズの靴紐を入念に確認してからスタートすることです。
タイムを気にしすぎるあまり、途中、靴紐が解けてしまっては余計にタイムロスになります。
バイクからランへのトランジションのポイント
- 靴紐を入念に確認する
- 靴を履き替える時間も意識する
トライアスロンの流れ⑤ラン
最後に、ランです。
バイクで足腰が疲労するため、足腰の感覚が麻痺した状態、つまり、身体を支える力が足りず思うように走れない状態でランがスタートします。
普段の練習とは違う感覚に陥り、キツさを痛感することになるかもしれませんが、徐々に走り慣れてくるので踏ん張りどころです。
最後のランは普段の練習よりもペースが落ちるのが普通なので、あまり悲観的にならず自分のペースで走り切ることがポイントです。
沿道の声援の力ももらいつつ、スポーツドリンクも途中で摂取しながら走りましょう。
ゴールテープを切るときの達成感を目指して。
ランのポイント
- 足腰が麻痺するので注意
- 自分のペースで走り切る
- スポーツドリンクもきちんと摂取する
まとめ
実際のトライアスロン大会を例に大会当日のスタートからゴールまでの流れを紹介しました。
トライアスロン前に自分が完走するまでの一連の流れをイメージしながら、普段の練習に臨むと良いでしょう。
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